2018年12月5日(水)の虎ノ門ニュースから文字起こしです。コメンテーターは藤井厳喜氏と井上和彦氏です。
※文字起こしは正確でない可能性があります。
居島一平 「アメリカ 中国に譲歩迫る見通し 貿易交渉団トップに強硬派」という、この話題から本日深入りまいりましょう。共同通信によりますと、アメリカのトランプ政権は3日、貿易摩擦を巡る対中国交渉団のトップに、アメリカ通商代表部のライトハイザー代表を据えると発表いたしました。これまでの協議でアメリカ側は、対話を重視するムニューシン財務長官が中心となってきましたが、ライトハイザー氏は対中強硬派として知られ、摩擦解消を図りたい中国に大幅な譲歩を迫る見通しです。米中摩擦が泥沼化すれば、両国に拠点を置く日本企業などに大きな営業が及ぶだけに、交渉が進むか決裂に向かうかは、世界経済を左右するといえると共同通信は伝えております、と記事になっておりますが。
藤井厳喜 そのとおりで、今まではムニューシンさんが財務長官だったんですけど、対チャイナ交渉の窓口というかトップだったんですね。で、これはトランプさんのやり方ですよね。ていうのは、このムニューシンさんっていうのは、元々ゴールドマン・サックスの出身で、彼のお父さんの時からのゴールドマン・サックス人脈の人なんですよ。それで、ムニューシンさんが働いている時のその時のトップが、ポールソンという人がCEOだったんです、会長だった。ポールソンはね、チャイニーズ・ポールソンと言われるくらい、とにかくゴールドマン・サックスのトップで、チャイナに足繁くね、70何回とかいったかな、CEOの時に通って、それで向こうの国有企業の上場とかそういうので大儲けした人なんです。
ポールソンさんもはっきり言って親中派。ムニューシンは何かとこのポールソンに相談してると。ソフトな人を初め、交渉相手につけたわけよ。だから習近平さんに、この人チャイナに同情的な人だから、早く妥協しなさいよと言っても妥協しないもんだから、だったら我が方にも覚悟があるよ。ライトハイザー出しますからと。
この間の米中のトップ会談の時も、大統領がいて、ムニューシンが左にいて、その左側にライトハイザーがいるんですよ。(略)そして大統領の右側の方にはですね、ジョン・ボルトン。ヒゲ生やして怖い顔してる。その横にはピーター・ナヴァロがいて、これが今の色んな対中戦略の司令塔ですよ。
居島一平 「米中もし戦わば」の著者の。
藤井厳喜 そう。で、もう長年ね、チャイナの脅威ってものを経済的にも軍事的にも警告発してきたのがピーター・ナヴァロ。だから、ムニューシンの時に妥協してりゃいいのに、ちっともね、実質妥協の姿を見せないから、だったら我が方も覚悟がある。今度うち豪腕ライトハイザー出しますから、っていうことでね、初めの期間に妥協してくれば、話はついたわけ。で、面白かったのはね、これ日本では報道されてないけどね、米中の会議の冒頭、チャイナ側がね、フェンタニルの対米密輸を厳しく取り締まるということを、アメリカに言ったんです。
フェンタニルってわかんないかもしれないけど、これね、合成オピオイド、要するに麻薬の一種なんです。今ね、アメリカでこれすごく蔓延しちゃってて、アメリカの新しい麻薬禍と言われていて、大統領自らこれ取り上げているくらいの大問題なんです。じゃあ、厳しく取り締まるって、フェンタニル問題に一番強硬な態度とってたのがライトハイザーで、中国共産党はわざとアメリカにこういうものをね、密輸を規制しないでいるんじゃないかと。政府がやっているとは言わないけども、チャイナマフィアみたいのがやってるのを、取り締まらないんじゃないか、これじゃあ昔の、まさにイギリスとあったアヘン戦争。
居島一平 逆にやられている。そうですね。
藤井厳喜 そのことなんかをガンガン言ってたおじさんなんですよ。そしたら向こう側はやっぱりライトハイザー出てくるっていうんで、「取り締まります」ってどういうことよ?今まで取り締まってなかったってことじゃないか。逆に言えば。ね?今までできるのにやってなかったんじゃないのって、自ら犯罪を告白したに等しいんじゃないかと僕は解釈いたしますけども、そういう強硬派が出てくるということで、先行きがますます楽しみになってまいりました。
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