林原チャンネルのひとりがたり馬渕睦夫#11から文字起こしです。
※文字起こしは不正確であることがあります。
(前略)
グローバリズムというのはいまいち分かりにくいという質問がありました。それは私自身の説明が不十分だった点があるんですが、結局これははっきり申し上げますが、ユダヤ思想なんですね。
ユダヤ思想ということと、ユダヤ人という事は区別しなけれりゃならないんです。我々は知らず知らずのうちにユダヤ思想に染まっているんですね。その事が良いか悪いかではなくて、我々がそのグローバリズムの、グローバルな思考ってのは、実は元をたどればユダヤ思想であるということを知る必要がある。「それを知った上で私はグローバリズムに賛成だ」っていうのは、それはそれでいいわけですね。
しかしそれを理解せずにただ「グローバリズムは良いことだ」とか「グローバル市場に活躍したい」なんて思う事は、やはり将来失敗する元になるんじゃないかと老婆心ながら心配しているわけなんですね。
ですからユダヤ思想、それも「ユダヤ普遍思想」なんですね。で、ユダヤ問題についての質問も沢山ありましたが、我々がどうしてもなかなか理解が難しいのは、そもそも日本においてはいわゆる欧米世界が経験したようなユダヤ問題ってのは、日本では存在してこなかったという事なんですね。ですから、それはピンと来ないという事でもあるし、たまたま出るとそれが非常にキワドい内容だったりして、やれ陰謀論であるとか、やれ何とか事件ってのもありましたが、ある雑誌が廃刊になるとかね。
そういう側面で我々はユダヤ問題っていうのを捉えがちなんですが、実は(略)これは旧約聖書をお読みになるとよくわかるんですが、その頃から要するにグローバリズムの問題、要するにユダヤ普遍思想ってのは実は存在しているわけなんですね。
少し専門的な話になりますけども、私もそれを旧約聖書で読んだり、ユダヤ人が書いたユダヤ人の歴史の本を読んで、勉強したわけですけれども、元々ユダヤ思想の中にも2つの流れがあって、1つが民族主義の流れですね。ユダヤ民族主義。それともう1つがユダヤ普遍主義なんです。
で、今そのグローバリズムというのは、この中のユダヤ普遍主義の事なんですね。旧約聖書を読みますと預言者ってのが出てくるんですが、預言者っていうのは、いわゆる神の言葉を預かってその言葉を、つまりヤハウェの神ですが、その唯一神ヤハウェの言葉をイスラエルの国民に知らせる。そういう役割を担った人が預言者なんですね。その預言者の中にも、普遍的な思想を広めた人と、民族主義的な思想を主張した人の、2つの流れが交互に現れてきてるんですね。
ですから、今、世界がグローバリズムが席巻しつつあったんですけれども、100年前からそれが明示的に始まったと申し上げましたが、100年のグローバリズムの主流の流れが今終わりつつあって、それに代わるナショナリズム・民族主義の時代が今始まりつつあると。こういう時代設定って言いますかね、時代認識だと思います。
それはかつて、旧約の世界といいますか、旧約聖書の世界でも起こっていたことなんですね。ある時には普遍主義を唱える預言者が現れて、我々にはあまり馴染みのない人の名前ですけれども、例えばアモスという預言者とか、それからイザヤという預言者が出てきます。関心のある方は聖書を読んでいただければわかりますが、そういう人たちは何を唱えたかというと、「人類は皆兄弟である」というような普遍主義を唱えたわけですね。(略)ところがその後でユダヤ民族の重要性というか、これは間違えば選民思想になるんですが、ユダヤ国家の重要性というのを唱えた預言者が現れてくるわけですね。有名なのはホセアという人がいるんですが、しかしその預言者の後でまたユダヤの国家が滅びたりするわけですね。そうするとまた普遍的な思想家が現れてくる。預言者が現れてくる。
これの、言わば繰り返しなわけで、それが現在まで実は続いているわけですね。何が言いたかったかと申しますと、要するに今のグローバリズムというのはユダヤ普遍主義のことであるということなんですね。しかしそれは未来永遠に永劫に続くものでもないという事は、そのユダヤ人の歴史を見れば、聖書に書かれている歴史を見れば分かることなんですね。で、その次に今、逆にナショナリズムの波が強くなってきていると。
こういう時代認識というものを私は皆さんと共有したいと思っているわけです。だから一つの時代の潮流から次の時代の潮流に移る、今、その時期にあるわけですね。ですから色んな紛争が世界的規模で起こっているわけです。こういう風に大局的に見ますと、今の世界情勢というものはある意味でわかりやすいんですね。
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