PragerUのWhat Does Diversity Have to Do with Science?の日本語字幕から文字起こしです。英文はこちらです。
※文字起こしは不正確であることがあります。
人種や性別で規定されるというアイデンティティ政治を推進する人々に、人文社会科学は乗っ取られている。よくないことだ。
しかし、もっとひどいことがある。同じことがSTEMと呼ばれる科学・技術・工学・数学にまで及んでいるのだ。
UCLAの科学者の報告によると、米国全土で女性とマイノリティを増やすために、大学院レベルの研究に課していた要求をいかに変えるか、つまり下げるかが最大の課題になっているのだ。
大学に研究費を配る連邦政府機関であるアメリカ国家科学財団(NSF)が、これを象徴する動きをしている。NSFは、科学の進歩にはSTEMの職場における人の多様性が必要だと論じている。どうしてそんなことをわざわざ言う必要があるのか?
NSFが科学の進歩は多様性に依存すると考えるようになる前から、NSFの支援を受けた科学者達は200以上のノーベル賞を獲得しているではないか。でも、お構いなしだ。2017年7月、NSFはニューハンプシャー大学と他の2つの大学に、偏見に気づかせるツールを開発するために100万ドルの資金を提供した。さらに自覚なき差別や偏見を正すために200万ドルの資金がテキサスA&M大学の宇宙工学専攻に提供された。
私が著書「多様性の幻想」で書いたとおり、科学における多様性推進のパフォーマンスは、基礎研究とその実世界への応用に使えたはずの膨大な時間とお金を無駄にしている。それだけでも無駄は十分に大きい。
しかし、アイデンティティ政治は、科学における競争力の基準や将来の科学者の育て方まで変えようとしている。今や「多様性」がSTEM分野での明確な採用基準になっているのだ。UCサンディエゴの物理学専攻は、候補者が「少数グループが直面する不平等を自覚」していることなど、「多様性に貢献することに特に重点を置いた」助教のポストを公募した。
ダークエネルギーの謎を解明することより、社会正義の実現が優先されるようになった。偶然かもしれないが、このUCサンディエゴの公募の候補はたった5名で全員女性だった。もしもSTEM分野において、これまで女性やマイノリティが排除されていたなら、彼らを受け入れるように基準を変えることに合理性はある。あるいはそもそも基準という考え方自体が白人支配の表れであり、もはや適切ではないのかもしれない。
UCバークレイの化学入門の授業は、新たな「文化的配慮のある教育」を象徴している。その教員によると、授業の目的は良い科学とは正しい答を導き出すことであると定義する「人種や性が偏った状態で生まれた科学における価値基準」を、破壊することだそうだ。
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