大高未貴氏が紹介する中国の情報戦戦略

2019年1月18日(金)の虎ノ門ニュースから文字起こしです。コメンテーターは大高未貴氏、上念司氏です。

ガーディアン紙の報道とは、「Inside China’s audacious global propaganda campaign」だと思われます。

※文字起こしは不正確であることがあります。


(前略)

(居島一平) 「イギリス・ガーディアン紙報道から読み解く 中国デジタル情報戦の実態」となっておりますが。

(大高未貴) ガーディアンの記者優秀で、五ヶ月かかって、二人の記者が調べ上げた国際的にどれだけ中国が、情報戦を展開しているかというのが書かれていたので、いくつか面白いものを抜粋しました。

タイトルが「中国の無礼な(とか生意気な)世界的プロパガンダ戦略とは」っていう英文の記事なんですね。リードが、中国政府は驚異的な視野と野望を持った世界的プロパガンダ戦略の一環として、メディア局を買収し、世界各国のですよ、多数の外国人ジャーナリストを鍛え、『中国のいい話』を伝える、まぁご都合主義の話ですよ、中国にとって。中国にとってメディアとは『世界情報戦争』が行われている戦場であり、言葉は攻撃するための武器だと。はっきりと書かれちゃってるんですね。

こういった観点で、中国のメディアとか広報官のスピーチを聞くと、「あ、わかりやすい。真実を述べてない」と。あくまでも戦略の一環の武器として言葉を発しているというのがよくわかります。

(上念司) そうですね。私、よく講演で言ってますから。見えないところに戦場があって、戦争は始まっていますと。本屋の店先で始まっていますと。

(大高未貴) 次にいきますけど、この中国の情報戦の大転換が、

あったのがですね、北京オリンピックの時だったんです。

(居島一平) 2008年。

(大高未貴) はい。あの時にチベットとかウイグルとか人権問題が世界中から批判をされて、北京政府も「これやばい」と。今までは国内向けの検閲制度をしっかりして、言論統制してたけれども、国際世論をどう動かすかということに主眼を置かないとまずいということで、方向転換を図ったという指摘がありました。

(居島一平) 内から外へと。

(大高未貴) で、いやらしいのは、日本もそうですけど言論の自由のある国、今段々狭まりつつありますけども、それでも報道の自由を持っている、そこの国の弱点を利用して入り込んでいるということを指摘しています。

(上念司) これですね、長年中国政府のイメージ戦略は自己防衛的で反応型。国内視聴者をターゲットにしていたんですが、ここ10年ほどで中国は国外の視聴者を狙った、より洗練された積極的な戦略を展開。国外では中国政府は報道の自由の弱点を最大限利用しようとしているということですね。

(大高未貴) 北京オリンピックの翌年、対外的な世界へのメディア戦略のために66億ドルを投じて・・

(上念司) 66億ドル!6600億円ですね。

(大高未貴) そう。展開してるんですね。最初に布石をしいたのが、アフリカだったと。

(居島一平) 数カ国にまたがる規模でお金を投じた。

(上念司) チャイナウォッチみたいなことをぶっこんだんでしょうね。

(大高未貴) で、国際放送局とかラジオ局とかですね。そういうものをやっていたということです。次に中国にとってのメディア戦争というのを紹介させていただきたいんですけど。

(居島一平) 2003年、中国人民解放軍の政治的目標の概要がまとめられた公式文書。いわゆる『メディア戦争』は中国政府の軍事戦略の明確な部分となった。目的は他国の政府が中国共産党にとって好ましい政策を行うよう国外の世論に影響を与えることだと。中国政府は着実に衛星を打ち上げたり、世界中の情報を動かす『デジタルシルクロード』と呼べるファイバー光学ケーブルとデーターセンターのネットワークを構築したり、アフリカにおけるアナログテレビからデジタルテレビへの切り替えで力を持って行った。中国企業を通じ、世界のデジタルインフラのコントロールを高めていったと。

(大高未貴) はい。デジタルシルクロードがいわゆる一帯一路の出発点である新疆ウイグル自治区から始まっていて、前も指摘しましたけれども、ウイグル自治区を監視社会にして、モデルにして中国全体に広め、やがてその監視の目を全世界に拡大しようとして、キャッシュレスのアリペイとか、ああいうのも日本で散々やれって事も、チャイナ・ウォッチに推奨するようなことが書かれているんですけれども、そういった戦略で全世界の情報を把握するという習近平の野望があるんですよね。ファーウェイとか絡んでますよね、これね。

(上念司) 目的はってところがすごいポイントで、「目的は他国の政府が中国共産党にとって好ましい政策を行うよう国外の世論に影響を与えることだ」っていう風に言われてますよね。これ当然、ガーディアンだから何か証拠を押さえていると思うんですけど、こういうことを国内的に政治目標に掲げている国が、「文化交流でございます」って来た時に「あ、これはそれ(政治)とは別で文化交流なんですね」ってなるんですね(※日本の政府や自治体などが)。

(大高未貴) 怖いね。ここまで無防備だとね。

(上念司) 馬鹿?馬鹿なんですか?怖っ!

↓詳細は動画を御覧ください。

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