河添恵子・馬渕睦夫対談(林原チャンネル文字起こし)※要旨

河添 この頃の世界の情勢について馬渕大使はどのように解釈されていますか?

馬渕 今のご質問はね、ずばりと、今ね、本当に、例えば視聴者の方がね、知りたいことだと思うんですね。ところが私もね、一応、テレビニュースと新聞チェックしたんですけれども、何も地上波もメジャーな新聞も、現実っていうか、現実に起こっていることを伝えていないっていうことですね。これではね、心あるひとがいらいらしてくると。どっかの次官のセクハラ問題みたいなね、そんなことで時間を取られてね、今日のバラエティーショーとそればっかりやっているわけですね。それでもう何も関係がない人がコメントしたりしてね。逆にいえばね、日本国民が段々段々劣化していると。あるいはもっと勘ぐればね、劣化させるためにあのような番組を作っているっていうかね、ああいう話題に特化しているっていうことでしょ?世界情勢のことをほとんど取りあげないかね、取りあげてもきちんと解説できる人がいない。それはこういう言い方は失礼かもしれないけどタレントの人には無理ですよ。いくらね、台本を渡されたってそれで世界情勢のことをね、タレントが悪いわけじゃないですけれど、やっぱりつかさつかさってのはあるんでね、そういう人がね、生半可な知識でね、生半可な知識も無いような人が適当な思いつきでコメントをするっていうのはね、公共の電波を使ったやりかたとしては僕は犯罪的行為だと思っているんですね。この頃「犯罪的」って言ったらそれだけで問題になるらしいんですけどね、しかし実際にメディアがね、そういうことをやっているわけですね。

で、私、今のご質問にちょっと飛ぶんですけれどね、例えばあのセクハラ問題でもね、福田、もう前次官になられたんですか、セクハラやったっていう前提でやっているわけです、でもそれはおかしいんで、全体像がわからないのにね、「まず財務省は謝れ」とかね、そこから始まるわけでしょ?だからこういうのがね、事程左様にね、日本の知的社会があるとしてね、あるいは言論界があるとして、それが劣化した象徴的な事件の一つだと。ずっとモリカケもそうですけど、とするとね、今のご質問にあったようにね、今世界がどうなっているかっていうことはね、全く我々の目とか耳からはね、遠ざけられてるんですね。

ところが私が見る限りね、今世界は100年に1度の大きな地殻変動が起こっていると。で、それは簡単に言いますと、どういうことかっていうと、今まで100年間、101年前になりますけども、ロシア革命以降の世界の秩序というものが、今揺るぎ始めたというか今緩んじゃったんですね。新しい秩序になる過程って言いますかね、その過程でいろんな問題が、調整過程でいろんな紛争が生じていると。一言でいえばね、そういう状況だと思うんですね。我々はね、ロシア革命なんて過去の出来事だと思っているだろうけどとんでもないことでね。

河添 今にずっと続いていますよね。

馬渕 結局過去100年の世界秩序を決めてきたのはね、「ロシア革命の精神」っていうのはおかしいけれどもロシア革命がもたらしたというか、ロシア革命の秩序なんですね。どういうことかっていうとその時々で呼び名は変わるんだけども、ロシア革命のすぐ後は、要するにコミュニズムだった、共産主義革命ね、これで日本も相当やられた。で、それが冷戦終了後はグローバリズムになった。でもついきょしているのはグローバリズムもコミュニズムも、世界を統一するということに関しては同じなんです。これは我々が見ててコミュニズムとグローバリズム、グローバリズムというのは一応グローバル市場化というか資本主義の用語だと思っているから、資本主義と共産主義では全く相対立するものだと思っているでしょ?でも、根は同じなんですよね。

河添 全く一緒ですよね。

馬渕 これがわからないと今の世界の情勢っていうのはわからないんですよ。これは河添さんのご専門だけどね、中国がなぜね、こんなに経済発展できたかというのは結局ロシア革命とグローバリズムが根は一つだということがわからないとわからないし、結論を先取りすればね、中国ももう変わらざるを得ない、それは今までのグローバリスト、共産主義者ってグローバリストですからね、簡単に言えば。彼らが牛耳ってきた中国というものは変わらざるを得ないと。それが何年先かはわからない、共産党支配が終わるっていうことはね、これは既定路線というかはっきりしてるということだと思うんですね。ですから先程申し上げたように大きな世界の秩序が今度変わっていくと。グローバリズムから、簡単に言えばナショナリズムといってもいいんですけどね、そこにナショナリズムの復権というか、そういう世界秩序に変わっていくう過程で生じているのが今の様々な紛争じゃないか。ずばりね、河添さんから本質的な質問を受けたんでね、とりあえずの導入部分としてはそういうことで。

河添 はい。

馬渕 じゃないかと思っているんですけどね。

河添 ありがとうございます。私自身は実は馬渕先生ともしかしたらちょっと違うのは、ある意味でいったら習近平が、そのグローバリズムであり、コミンテルン、私は北京テルンって言っているんですけど、それの世界のトップとしてずっと続けていく役を当分やっていくんじゃないかって、もちろん喜んで言っているわけじゃないんですけれど思っているんです。その一つの理由としてですね、1980年ベルリンの壁が壊れて、91年ソ連がロシアとなって解体されたと。それ以降、コミンテルンだったりした残党の人たちがどこに行ったかというと一つは国連に流れていったと、もう一つそういったDNAというのはやはり中国が強めていったんですよね。90年代の段階に、まず1997年習近平さんが中央委員候補という一番中央の中でも下っぱなんですけど、そこに370-380番で入ったと。その時に、党が決めたのはマルクス・レーニン主義、毛沢東思想・鄧小平理論を行動指針とすると決めているわけですね。ちょうど21年前。で、その翌年の98年から2002年まで何と習近平さんは清華大学の人文社会学院でマルクス主義を学んでいるんです。彼はおそらく、この時期にマルクス主義をやる、要するに世界は、あと日本は中国に対してね、いずれ民主化するであろう、いずれ中国も豊かになったら自由主義で民主化して日本のようになると言っていた時代に、習近平であり習近平一派はマルクス主義を学んでいる。で結果としてそれから15年経った時に彼はトップになっているわけですよね。ですから私はあの習近平さんは世界の中のある種で言ったら、グローバリストでありコミンテルンの人たちから選ばれた一人であり、その役目を演じる中で残っているんではないかっていう風に一応思っているんです。

馬渕 それはあの正しいと思いますよ。それはね、私が先程申し上げたのとそんなに相違していないというか全く相違していないんでね、結局その冷戦が終わった時に世界がどうなったかって見てみますとね、ロシアの場合にそういう今おっしゃったグローバリストというかね、ロシア革命を背後で支援した人たちは何を考えたかっていうとロシアの場合は急激に民営化させてロシアの富を奪うと。

河添 オリガルヒの人たち。

馬渕 オリガルヒ。結局その彼らと同じ、その同族の人たちがオリガルヒになってロシアの天然資源を奪っちゃったわけですよね。石油とかね。ところが中国の場合もね、じゃああの時なぜ中国の共産主義体制が倒れなかったかというと、中国の場合は天然資源がほとんどなかったと、そうするとその中国をね、そういう意味では搾取するには共産党のあの支配の方がやりやすいと。だから中国にはね、むしろその欧米が、日本もつきあわされたけれど、工場を移転して安い労働力を使ってね、環境とかなんとか無視してとにかくその酷使したと、労働者を。それによって中国もそれなりに発展したけれども、中国に投資した人は大儲けしたと。こういう構図だったんじゃないかと思うんですね。それで私、今の話を聞いて面白かったのはね、習近平が白羽の矢が立ったということですけれどね、多分そうかもしれない、中国についてはグローバリストとして、あるいはグローバリズムの旗手として中国を育てると。ロシアは別の意味で、アメリカと同じ様なかたちで育てようとしたんだけどもプーチンが出てきてつぶしちゃったわけですよね。だから米露の本当の意味での冷戦というのはプーチンが出てきて始まったというのが私の感じですよね。おそらく同じだと思いますけどね。

河添 そう思います。

馬渕 プーチンはロシアの愛国者であるからやっぱりロシア民族がね、ロシアの天然資源は支配すべきだという発想ですよね。ところがグローバリストはそうじゃなくて、どこの資源をどこの人間が支配してもいいと。つまり自分達の仲間が支配するという発想でしょ?だから中国人の発想というのはね、これは河添さんの専門だけど、多分そういう発想でね、そもそも国という概念がないでしょ。

河添 ないです。

馬渕 だからやっぱりぴたっと合うんですよ。当時のコミュニストの成れの果てがどこに行ったかってさっきおっしゃたように、一つは国連に行ったと。それから中国に行ったと。もう一つはアメリカに行ってネオコンになっているんです。この三つが第二次世界大戦後の世界秩序を作ってきたということでね、私も基本的に河添さんの見方と同じですよ。

河添 ありがとうございます。きっと習近平はそういう形で選ばれた一人で、おそらく同じ匂いというのはオバマさんもそういう所にいたと思うんです。フランスのマクロンさんもその流れかなとか、ドイツのメルケルさんもそうなのかなっていう風に・・

馬渕 おっしゃる通りでマクロンは、例のフランスのロスチャイルド家の子飼いですよね。こういう言い方は悪いけどね。それからメルケルさんはね、なんか色んな説があるけれども、あの人は東ドイツ出身ですからね。

河添 一応牧師の子供ということになっていますけど、なんか色々ありますよね?

馬渕 もう何かあの前の独裁者に顔が似ているとかね。

河添 冷凍精子で出来た子供だっていう・・、その話がありますよね。

馬渕 いろんな話があってね。

河添 ヒトラーさんと誕生日一緒なんですよね。

馬渕 誕生日一緒ですか。

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河添 顔も似ているという話も、ねぇ。

馬渕 少なくとも私のねぇ、外交実務をやった勘から言いますとね、東ドイツの人がね、いわゆる西ドイツというか、ドイツの政権を担うっていうのは普通考えられないんですよ。メルケルさんが選ばれたというのはね、アメリカもそうだけど、オバマまでの大統領がそうだけど、必ずキングメーカーが決めるんですよ。国民はそれにラバースタンプを押すだけでね。ご承知のようにアメリカの従来の大統領候補は共和・民主どっちがなってもいいようにキングメーカーが決めてた。

河添 そうですよね。

馬渕 だからね、メルケルも恐らくそういう世界のキングメーカーに選ばれた人だろうという気がするんですね。そういう意味では、河添さんがおっしゃったようにね、習近平もそうなんでしょう。だからあんなに終身なんとかになれてる・・

河添 そうだと思うんです。習近平さんはね、くまのプーさんみたいだと言うだけで怒るみたいですけど、それなりに背も高くてね、若い頃好青年には見えたわけですよ。そういった中で選ばれた一人だと思う、もちろん血筋っていうのもあったと思うんですよね。お父さんが副首相までやっているので、まぁそういった血筋とかもふくめて選ばれたという風に思っていて、ですからまぁ当分の間はね、習近平さんからすればグローバリスト、北京テルンなのかコミンテルンの代理人のトップとしていると。ナンバー2今やられている王毅山さんは国家副主席に戻っているわけですけれど、あの方はよく言われているのはイギリスのロスチャイルドさんの筆頭代理人として存在しているって話もあって、おそらくそうなのかなと思うんですよね。

馬渕 それはね、非常に重要な分析でね。というのは元々アメリカもロスチャイルドの代理人がね、じわじわじわじわ支配してきた歴史なんですね。ウィルソン大統領の時に完全にやられて、今から100年ちょっと前の、取り巻きはロスチャイルドの代理人が取り巻きにいたの。だから今の河添さんの話で改めてわかったのはね、中国の指導部もそういうロンドンシティーのね、代理人が占めてると。そう見るとね、中国の行動ってのはものすごくわかりやすい。

河添 ですよね。それで今まで江沢民派が強くて、特に1980年の天安門事件以降、江沢民になって20年余り江沢民一派がロックフェラー系といいますか、アメリカの左派とあまりにも近づきすぎて、恐らくロスチャイルドさんとかヨーロッパをあまり旨味がなくなって儲からなくなってしまって、その流れを揺り戻せってことで江沢民派の粛清をこの五年間やっていたのかなっていう風に思っているんですよね。現実的に石油閥とか、江沢民派の捕まった元序列九位だった周永康さんは石油利権とかずっと持っていたわけですよね、いずれにしましても皆アメリカの左派の人たち寄りで、非常に儲けて、一国家の富以上に持っていたわけですよね。その余りにも偏向してしまった富を、もう一度バランス整えるために王毅山がそういう悪役を、前の政権の時は六位でしたけれども、やったのかなと。そのご褒美じゃないけれどよくやったということで国家副主席に戻ってきたというような流れかなと思っていて。必ずイギリスっていうのは植民地を放してしまったけれども、東南アジアに対してものすごくイニシアティブを持っていますよね。長年ずっと見ていると、一つはシンガポールの、亡くなってしまったけれど、リー・クアンユーさんが東南アジアのトップ、あんな小さな国のシンガポールではあるけれど、現実的に東南アジアっていうのは華僑が動かしていたので、そのトップをやっていた。で、中国は大陸にトップがいるという状況でイギリスとつながっていて、リー・クアンユーさんが亡くなってリー・シェンロンさん、息子さんになって、今対等かそれ以上になって習近平がトップになっているっていうのが私の見方で、もう一つの理由で言うと、習近平さんはリー・クアンユーさんと一対一で会えるようになったのは、習近平国家副主席になった後なんですね、ということはそれだけ地位が、シンガポールの小さな国のリー・クアンユーさんでも地位が高いと。東南アジアの華僑と中国の関係を見ていました。そのうえで、習近平は何の実績もなくて上に上がってきたという人がいるんですが、実績が何があるかは別として、彼は1985年から2002年までは福建省にいました。福建省というのは東南アジアに大量の福建系がいるわけですよね、華僑・華人とつながる、そこからお金を持ってくる、そういった工作を福建省でやっていたわけです。ですからある意味でいったら偉大なる中華民族の復活って言っているのは、福建省の人たちを含めたっていいますか、東南アジアにいる華僑に向けて言っていて、今度こそ世界の権力者ではなく、自分達が世界の権力者になって秩序を決めていくぞっていうような、そういう決意で出てきたのかなっていう風に思っているんですよね。

馬渕 なるほど。今おっしゃった中で、視聴者の方にはね、あれ?と思われた方もおられるかもしれないけど、「アメリカの左派」とおっしゃったでしょ?我々一般的にはアメリカは右派とか保守勢力だと思っているんですよ。ところが河添さんがいみじくもおっしゃったようにね、アメリカってのは左派なんです。国際左派、つまり世界の左派は実はアメリカでね、それがね、結局我々は冷戦以降ごちゃごちゃになっていて歴史家も知識人も教えてくれない。メディアはもちろん教えてくれないんですけれども、左派っていうのは簡単に言えば現状変革勢力ですからね、アメリカのウォール街を中心とする歴代の政権こそね、左派だったわけです。それが河添さんがいみじくも正しく指摘されたことでね。で、我々はまずそういう認識を持つ、つまりグローバリズムってのは左派の思想なんですよね。まずそれをね、もう一度念押しのために言っておきますけどね、もう一つはね、確かに植民地をアメリカを含めてヨーロッパは全部失ったんだけれども、彼らは世界を植民地的に支配できているんですよね。それは何かと言うと通貨を握っていることなんですね。だからアメリカの歴史を見てみますとね、イギリスから独立したアメリカの歴史ってのは、イギリスがいかに通貨でアメリカを押さえるかっていう歴史であってね、これはご承知の通りアメリカの中央銀行をロスチャイルド系の人間が握ると。

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