2018年9月19日(水)の虎ノ門ニュースより。正確に文字起こしできていない可能性があります。
居島一平 題して「現代のホロコーストか。ウイグル人弾圧!本当の話」。非常にショッキングなタイトルなんですけれどもね、虎ノ門ニュース、当番組ではたびたび中国によるウイグル人弾圧問題に関する話題を取り上げてまいりました。100万人とも、あるいは多く見積もっては300万人とも言われるウイグル人が、新疆ウイグル自治区の再教育施設に収容されていると報道されています。中国の西端、西の端に位置するこの地で今、何が起きているのか、本日は藤井厳喜さんにご紹介いただきました貴重なゲストの方、スタジオにお招きしてお呼び込み申し上げたいと思います。日本ウイグル連盟会長のトゥール・ムハメットさんです。どうぞ。
(中略)
ここで視聴者の皆様に改めてトゥール・ムハメットさんの簡単なプロフィールご紹介させていただきます。トゥール・ムハメットさんは、1963年東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)ボルタラ市のお生まれです。1981年に北京農業大学に入学。1985年東トルキスタン(新疆)農業大学で講師を務められました。1994年に訪日され、九州大学に留学。1997年グルジャ事件発生。中国当局によるウイグル人弾圧を日本で訴えられました。
その後、一度もウイグルにはお帰りにはなられず、ご家族やご友人ともほとんど、というか一切ご連絡が・・
トゥール そうですね。97年にグルジャ事件が、グルジャ虐殺ですね、これが起きて、それ以来、一切ウイグルに残っている親戚とか電話してないです。なぜなら私から電話いくと向こうは警察の世話になるんで。だからもう21年、全く向こうとは連絡をしないし、帰ったことないです。ずっと日本におります。
居島一平 そうですか。そんなトゥールさんをお迎えしての新疆ウイグル自治区の本当の話、本日はトゥール・ムハメットさんが用意してくださいました写真を拝見しながら、より詳しく解説していただこうと思います。まずはこちらのお写真からなんですが、トゥールさんこちらのお写真は・・
トゥール 画像を見たら左側が2017年2月16日と書いてあり畑になっているんですね。何もないところ。今度、一年後の2018年の3月16日はもうああいう風に建物建てられてるということです。これはカナダの中国系研究者が、このウイグルで起きている大規模な収容施設問題を取り上げて、そこで衛星写真をいろいろ利用してですね、彼が収集した、分かっている26箇所の強制収容所の住所を元に衛星写真を調べたら、その26箇所の強制収容施設の元のところと現在のところが全部わかったということで、これは大々的にカナダとかアメリカで取り上げられて有名になっているんですね。ウイグル人に対する300万かそれ以上と言うことを主張していますけれども、(強制収容所は)実在するということがこの中国系の研究者の研究でも証明されているわけなんですね。
今年の8月10日、ご存知のように国連で人種差別委員会の会議で当然ウイグル人側、収容キャンプのことを訴えたんですね。そうすると中国当局はこの会議に50人の代表を出して、その中にウイグル人の一人を入れているんですね。彼らが完璧にそれを否定しているんです。
藤井厳喜 強制収容所自体が存在しないっていうね。これ、今の写真は?
トゥール 収容所の収容されてるウイグル人です。ご覧のように全部人民解放軍が監視してるんですね。周りが柵で囲まれていて、あの立ってる(人)は人民解放軍の特殊部隊なんです。これ座ってるのはみんな、多分カシュガルの郊外だと思うんだけど、ウイグル人ですね。こういう施設が今、東から西、北から南、東トルキスタン全土に設けられているんです。この問題が今、アメリカでも、藤井先生が紹介されると思いますけど、アメリカの一つの国策みたいなものになっていて、世界にアメリカから訴えています。当然私達ウイグル人被害者として、世界ウイグル会議、そして私達の各国の代表機関、日本では日本ウイグル連盟なんですけど、私達が一貫して日本社会にこの問題を訴えています。
今日は藤井先生のご好意によって、私がこの虎ノ門ニュースに出る運びとなりましたので本当に皆様に感謝いたします。
藤井厳喜 トゥールさんたちの推計では、正しい人口統計とかね、中国共産党発表しないけれども、ウイグル人の人たちが新疆ウイグル自治区と呼ばれているところに3千万人くらいはいると?
トゥール 私達の、中国の人口の出生率に基づいて、ウイグルのもともとの人口に基づいて計算したデータがあるんですね。そのデータによると今のウイグル人口が中国が発表している1100万弱じゃなくて実は3000万超えてるっていうことなんです。
藤井厳喜 で、そのうちなんと、300万人くらいがこの強制収容所に入れられているんじゃないかということですよね?
トゥール それ以上だと思います。
藤井厳喜 それ以上?
トゥール つまりもうウイグル人の人口の半分がこういう風に収容されていると思います。
居島一平 半分ですか!?
井上和彦 3000万人の半分ですか?
トゥール もっと、もっと、もっと多い。1000万超えるかもしれないし、もう実態わからない。なぜならあのカシュガルとかコータンの街にロシアのカメラが入ったんですね。元々このカシュガルという街は非常ににぎやかな街なんで、今度のロシア人の映像を見ると街がもうガラガラなんですよ。あんなにぎやかだった街ががらがらなんで、カシュガルの人口は200万を超えるんで、街の様子を見ると大体一割か二割ぐらいの人が残っていて、八割、七割はもういないということなんで、だから中国全土で、ウイグル全土でウイグル人がいなくなっているという・・、グルジャとかアクスとかカシュガルとかトルファン、まぁウルムチはまだ結構残っているようなんですけど、北のアルタイとか全土ですね、ウイグル人がいなくなってるんです、街で。
村に行くと男性は基本的に残っていない。女性とか老人とか子どもたち残っていると言われているけど、様々な社会問題が今起きているんです。たとえば女性たちの家に中国人の幹部を派遣して、わざと女性たち残っている家に幹部派遣して強姦を行っているという話もありますし、それから赤ちゃんを産んだばっかりの親二人を連行されているから、赤ちゃんが他の小さい子供と家に残っていて火傷したりとか井戸に落ちたりとか川に流されたり、いろんなこういう我々が想像のできない悲劇が今ウイグル全土で起きています。
それから中国が何をしているかといいますと、この残っている子供たちを全部集めて、中国の本土に広告を出してですね、いわゆる新疆では今孤児がたくさんいるので収容してくださいと、ウイグル人の子供を中国の本土の人たちにあげているわけです。そうすると、この収容されている人たちが、今度出てきた場合には自分たちの子供がどこに連れ去られているかわからなくなることになりますね。
この間、私トルコに行ってきたんですけれども、トルコで、その留学に来た人たちがいるんですね。自分の子供を3~4人、自分たちの親に預けておいてトルコに留学しているわけですね。今度、その親達の子供がおじいちゃんおばあちゃんの家から連れ去られちゃって、どこに連れられて行ったかわからない。奥さんが精神病になった男性と話してきたんですけれども、奥さんがその三人の子供を旦那さんの側のお父さんの家に残してきて、その三人が今どこに連れ去られているかわからなくて、今年の3月頃、今完全に精神病状態なんです。毎日泣き崩れて、旦那さんも話がうやふやになっているんですね。私が会った時、薬飲んで安定状態だったんですけど、今トルコにそういう人たちたくさんいるんです。
居島一平 この写真はどういう・・?
トゥール これは収容された子供たちに習近平の話を聞かせている状況ですね。これはあの収容されてる子供たちです。皆ウイグル人の子どもたち。中国語を教えて、これ教室か幼稚園かわからないけれども、壁には全部中国語書かれているし、多分中国語教育を受けた子供達だと思うんです。
藤井厳喜 だからウイグルの言葉を喋れなくしてしまう。文化も奪うね。
トゥール ウイグルの言葉は2016年の9月に禁止。禁止されています。中国の教育省がですね、通達を出して人口三千万人を超えるウイグル人の言葉は、いわゆるウイグル自治区ではもう使用禁止になったんです。今ウイグル語を喋ったら犯罪者になります。自分の家だけじゃなくて、街でも職場でもウイグル語を喋ったら犯罪者になって逮捕されます。
藤井厳喜 これ、その、なんていうかな、イスラム教とか宗教否定の教科書みたいのが出てきていますね。
トゥール これは反邪教知識というんだけど、中国は法輪功とかキリスト教系の全能神という宗教団体があるんだけど、それは邪教としているんですね。今、ウイグル人のイスラム教もイスラム信仰も邪教の中に入れられて、この教科書は何が邪教かと宣伝しているわけだけれども、中国が言っている邪教というのは共産党に反対する宗教全部、邪教なんです。
トゥール だから、彼らがそういう物を子どもたちに教えているわけです。ウイグルではウイグル人が信仰しているイスラム教自体が邪教なんで、だからウイグル人全員が犯罪者なんです。
藤井厳喜 収容所の中の写真ってありましたよね?
トゥール 建築中のね。
居島一平 動画がちょっと見られるということなんで・・。これがその収容所?
トゥール これはカシュガルの郊外にイニシハウ(※聞き取れず)という街があるけど、そこに造られている新しい強制収容所です。なぜならまだウイグル人が残っているから、彼らはできればウイグル人全部強制収容所に入れたいわけですよ。だから施設足りないから、学校とか様々な公営施設を全部収容所に変更されてるんですよ。だからこれは新築なんで、大体20平米もないでしょ?その中にトイレも設けられていて、この中にね、大体20人から30人くらい入れられる。
居島一平 この空間にですか?
トゥール で、夜はどういう状況かといいますと交代で寝るらしいんです。すし詰め状態で。
藤井厳喜 横になれないから。全員がね。
トゥール それか横になるのは禁止。
井上和彦 え?
トゥール 動いちゃったら拷問をかけるんです。だから一晩中横になってる、寝ると。このことはね、今トルコに亡命しているけどウメルベキさんというカザフスタン人の方がね、今年の6月くらいに国際メディアに彼が出てきて告白したんです。自分がカルマイというところで、その強制収容所に入れられて自分が入ったところはそういうすし詰め状態で寝ていたんだと。これは自分が入っていた収容所だけじゃなくて全ての収容所に通用するんだと。後、私達ラジオフレイジア(Radio Free Asia)というアメリカに本部を持っているラジオ局があるんだけれども、そこの取材で現地の人たちの証言とか外国に逃げたウイグル人の証言から、あの収容所の中が人間がいるところではないと。収容所にいるウイグル人は犯罪者以下の待遇なんだと。それからその一日の三食は非常に悪い。栄養価値の無いものを食わされているんだと。それから汚い。悪臭が漂っているし、あとこういう部屋だから小便もトイレも全部、部屋の中にあるわけだから、そういう状況なんで、そんなかにいると長くない間で精神がおかしくなると言われていますね。