藤井厳喜氏が解説するAPECでのペンス発言

2018年11月21日(水)の虎ノ門ニュースからです。コメンテーターは藤井厳喜氏と井上和彦氏です。

※文字起こしは不正確である可能性があります。


居島一平 日本経済新聞の記事の概要です。アメリカのペンス副大統領は17日、パプアニューギニアで開かれたAPECの会合で演説し、中国が態度を改めるまでアメリカが行動を変えることはないと述べました。中国が不公正な貿易慣行をやめるまで圧力をかけ続ける方針を強調、中国の南シナ海での軍事拠点化や、他国の主権侵害などの是正も促したということです。ペンス副大統領は中国が他国の主権や人権、自由公正で互恵的な貿易を尊重すれば、インド太平洋で名誉ある地位が得られる。インド太平洋に独裁主義や侵略の居場所はないと述べ、習近平指導部をある意味批判しました。ただ、中国を厳しく批判する一方、アメリカは中国とよりよい関係を求めていると呼びかけるなど一定の配慮も示し、トランプ大統領が習主席を認めていることに触れ、月末の米中首脳会談で進展はありうると述べたということです。

藤井厳喜 これはですね、10月4日に画期的なペンス副大統領が演説やりまして、対中全面対決と、対中宣戦布告といっていいような大演説をやりました。その後、10月12日にね、ワシントン・ポストのインタビューで冷戦という言葉を初めて使ったと思います。(11月)15日には東アジアサミットがあって、この場ではペンスさん、チャイナのですね、南シナ海の軍事化、軍事拠点をね、公の海にね、どんどん作っているってこれをね、こっぴどく批判をいたしました。そして17日のこのパプアニューギニアのポートモレスビーでの演説ということになってくるんですが、例えば産経新聞も18日に、この日の紙面というのは非常に象徴的だったと思うんですけど、ちょっといいかな?普段こんなことやんないんだけど。

11月18日産経新聞一面

「自衛隊、太平洋島嶼国を支援する」と。これはアメリカとオーストラリアと一緒にやると。裏手の方にまでね、表のチャイナの方の島とかだけじゃなくて、こっちの方にも手を伸ばしてきているわけですよ。パラオとかね。それから「インド太平洋に6.8兆円」。だから一帯一路で転んじゃうっていうのは、これは我々もそういうことをやってなかったからだと。発展途上国のインフラ整備のためにこれだけの金を出しますよと。まぁおそらく日本も一緒に出して、一緒に質の高い、そしてデットトラップね、債務の罠に入らないような仕組みを作りますから、こっちおいでよと。こっちの水が甘いぞとやったわけですよ。

そしてペンスさんの演説面白いね。「中国が他国の主権、人権、自由、公正で互恵的な貿易を尊重すればインド太平洋地域で名誉ある地位が得られる」ということは、今チャイナは、他国の主権も認めず、人権自由を認めず、公正互恵的な貿易を尊重していないということを言ったわけであって(笑)、チャイナという言葉が出ないところでも、全面反チャイナの大演説であったと。具体的に600億ドル資金を出してやるんだとかね。

エクソンモービルがこのパプアニューギニアでね、なんと190億ドルも投資して2600万人もの雇用を産んでいるんだと。アメリカがこの地域で責任もってね、どんどん投資しますよと。そしてもってさらにこういうお金も準備しているんで、悪いサラ金からお金を借りないでくださいと。悪い街金融から。

居島一平 闇金からね。

藤井厳喜 闇金から借りないでくださいということを言ったわけです。面白いなと思いましたのはね、このなかでアメリカの思想というかイデオロギーっていうかね、神様が出てくるんですよ、このペンス演説は。というのは、神が人間に与え給うた自由、そういったものを奪うことは許されないとかですね。最後のところも面白くてですね、パプアニューギニアには国宝がある。その国宝ってのは400年前にこの地にもたらされた古いバイブルだと。これはね、キングジェームズバイブルっていってね、ジェイムズ王の時のイギリス欽定聖書なんですよ。一番定評のあったね、それがこの日に、おそらくミショナリーの人たちがね、宣教師の人が持ってきたんでしょう。それはなんとね、我が故郷のインディアナ州を経てここに届いたものであると。

居島一平 ペンスさん州知事も務めていたことあるんですよね。

藤井厳喜 インディアナ州でね。そしてね、我々の造物主が人間に与えたね、否定することのできない個人の権利。これはアメリカ独立宣言とか憲法の基本の思想ですけどね。そんな言葉が出てきておりましてね、要するに一面からいうと、神なき共産主義・唯物論者と我々は戦うぞと。神の精神があるところ必ず自由があるとかですね、結びの言葉はそういう言葉ですよ。God bless all the nations and people of the Indo-Pacificなんですよ。インド太平洋地域の全ての人々に神のご加護がありますようにと言って終わってるんでね、これはアメリカの政治家がよく言いますけれども、そこら辺の根本哲学から違うぞというようなことがね、非常に印象的でした。

参考:APECでのペンス演説

↓続きは動画で御覧ください。

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