渡邉哲也が解説する日米共同声明

チャンネルAJERの『日米共同声明から読み解く世界①』渡邉哲也から一部文字起こしです。

※文字起こしは不正確な可能性があります。


渡邉哲也 (前略)今回日米共同声明が出されました。このような共同声明なんですが、基本的に日本とアメリカでやる場合、英文が正文になり、その対訳として日本の訳文が出てきます。三カ国、四カ国となる場合も、あと例えば日本と韓国、日本と中国とやる場合も、真ん中に正文、正しい文というのを入れて、対訳という形でそれぞれの訳文を作るんですね。

なぜかというと将来的に問題が出てきた時に言葉一つで意味が異なってしまう。ですから正文を作った上で訳文を作り、それをすり合わせしておく必要があるわけです。気をつけないとですね、よくよくあるのは中国側の仮訳が、日本側の訳と英文は合致しているんですが、中国側の仮訳が違っていたり、意味を違えていたりということもありますし、韓国などとの間においても過去にこれが何度も問題になったことがあるわけですね。

そして新聞社はその異なった訳文を基に、逆に言うと、例えば中国寄りの新聞社などはそれを都合よく解釈して紙面に載せますから、そうなってくると本来のものと全く異なるものを見て、評論・評価をするということも実際に起きてきているわけですね。このようなことを防止するために基本的に正文を作ると、そして、まぁ正文を読まなくてもいいんですが、日本の場合は。仮訳、いわゆる訳文の中でどういうことを書いているのかというのを読んでいくことが必要なわけです。

(プリントを指し示して)日米共同声明、こちらが原文になっています。そしてですね、ポイントになるのはこの最初の一項目目では、アメリカの大統領は相互的な貿易の重要性、また日本と他の国々との貿易赤字を削減することの重要性を強調した。アメリカの大統領は相互貿易、相互貿易自体は否定していません。あくまでも、トレード、ディールなんですよね。トランプは商売人でディールという言葉が好きで、お互いにメリットを得るための交易関係、これは重要である。ただしこれが今不公平になっているから是正してくれと言っているわけですね。

で、それに対して安倍総理は「自由で公正なルールに基づく貿易の重要性」。自由で公正なルールに基づく貿易の重要性という言葉でこれに応えているわけです。よく自由貿易、グローバリズムという人がいますけれども、自由な貿易というのは基本的に一つのルール、同じルールの下でしか成立しません。例えばですね、ドーピングOK・イカサマOKの国と、ドーピングも当然ダメ出しイカサマはダメだという国が同じスポーツの大会で闘ったらどうなるか。当然ドーピングOK・イカサマOKの国が勝つに決まっているわけですね。ですから貿易においても公平で自由なルール、一つの下でしか成立しません。

これをトランプは強く訴えて、日本側も強く訴え続けているわけです。ですから、かつて自由貿易、自由な貿易というのはその根底に、当然の如く公平なルールというものがあったわけですが、中国はこれを守らず、自らのルールを他国にまで押し付けようとしていた。で、コレに関して「待った」をかけたのがトランプ大統領であり、今の国際社会の大きな流れということになってきます。

例えば中国の企業。日本の企業の場合、全て民間であって赤字になれば会社潰れちゃうわけですね。そして日本の法律を守らなくちゃいけないし、一定のルールの下で補助金も禁止されている。それに対して中国。ほとんどが国有企業、国の企業でですね、いざとなったら国有銀行からいくらでも金が出てくる。そして雇用に関しても、雇用のルールなどは自分たちで勝手に作ることができる。また、知的財産権など、「知的財産権をくれなければ、我が国から出て行け」というようなことが今まで行われてきたし、行われているわけです。またコピー商品なども大きな問題になっています。

ただ、これが同じ市場の中に今混在しているのが問題であるということを言っているわけですね。そして、いわゆる貿易、アメリカと日本との貿易協定において、これまではですね、FTA、自由貿易協定が結ばれる可能性がある、アメリカは二国間の自由貿易協定を求めてくる可能性があると言っていたわけですが、これがTAG、日米物品貿易協定というものについて話し合うという形になったわけです。FTAとTAGの違いに関しては、FTAはサービスや仕組みの部分においても自由貿易で同じ協定が結ばれます。それに対してこのTAGというのは、あくまでも物質オンリー。さらに言えば、今回一番の懸念事項である農林水産品に関しては、過去においてお互いの政府の立場を重視して、過去においての経済連携協定で約束した市場アクセス以上の譲歩はしません、ということを声明文の中に組み込むことができた。これに関してはですね、日本側としては非常に大きな成功であったといえます。

↓↓続きは動画で御覧ください。

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