奥山真司の地政学・リアリズム「アメリカ通信」のリアリズムが分かれば、陰謀論がわかる!?陰謀論はリベラリズムから生まれる?(2018年3月5日公開)から文字起こしです。
※文字起こしは不正確である可能性があります。
※ブルームバーグの「How To Test Your Favorite Conspiracy Theory」という記事に即して
(前略)
奥山真司 色々陰謀論があるんですけど、結局陰謀論を言う人達って、ここ(記事)で言っているのは、「合理的な説明」を追求するとすべて陰謀論につながっちゃいますよねという話をしているんですよ。実際はそうじゃないのに。で、世界って偶然でできていることって結構あるじゃないですか?僕なんかも例えばですよ、こんな番組やるとは思って無くて、でも、「奥山さんって昔から、子供の頃から、実はあんな番組やろうと思ってたんでしょ?」とか。そりゃ、人生見たら、確かにそういう風に思えなくもないですよ。
紫 そんなこと言われてるんですか?
奥山真司 いやいや、そういうわけじゃないんですけど、陰謀論的にはそういう風に見えるわけじゃないですか。初めからそういうのプランしてたんじゃないかとか。和田さんは結局、既存のテレビ局をぶっ潰そうとしてるんじゃないかとか。これは実際に陰謀だと思うんですけど。
和田憲治 陰謀でもないけど(笑)。無理でしょ。
奥山真司 広言してる?
和田憲治 広言はしてるけどね。相当難しいよ。チャンスはあるんだけどね。
奥山真司 国際政治をまじめに勉強していくとですね、偶然がやっぱり作るってあるんですよ。特に僕、テクノロジーの発展とかも見ていくと、偶然これとこれつなぎ合わせたらできたとかあるじゃないですか。めちゃめちゃ。結核菌とかね。そういうのもあるんで、世界は、もちろんその企んでいる人はいると思うんですけど、それでも偶然に何か物事が起こるっていっぱいあるんですよ。つまり、陰謀論を言う人達って、人間の完璧さを見てる。人間は完璧にプランして、それがその通り動いてるんだっていう風に考えがちなんですけど、僕はここでも言われている通り、やっぱり偶然・・。人間がしかもその組織がアホだったからこそ、こうなっちゃったっていうの結構あるわけです。
和田憲治 そうですね。合理的にやったはずのフランス革命から、ナポレオンが生まれた。
奥山真司 そのとおり。そういう事とか。
和田憲治 結局、皇帝を作っちゃったと。王様を殺して結局皇帝ができちゃった。
奥山真司 イギリスだって単に二枚舌やってたら、いつの間にかサイクス・ピコみたいになっちゃって、ぐちゃぐちゃにして帰ってきちゃって、ぐちゃぐちゃにした責任はもちろんイギリスですけど、イギリスがたまたま狙ってたわけじゃないのに二枚舌やっちゃって、中東の混乱を作ったのってあるじゃないですか。でも中東の人間からすると、それはイギリスの陰謀だっていうんです。イギリスはただ単に駄目だったからそういう・・
和田憲治 イギリスもイギリスで、その場その場でベストを尽くしていたら、めちゃくちゃにさせてしまった。
奥山真司 めちゃくちゃにさせて、しかも自分もうまく逃げたみたいな。
和田憲治 そうそうそう。だから陰謀だと言われちゃう。
奥山真司 で、つまり、僕が言いたいのはですね、人間の組織って万能じゃないんです、当たり前だけど。和田さんも紫さんも多分そうだと思うんですけど、ある程度組織の中で働いたことあるわけじゃないですか。そういう組織がいくら優秀な人がいるといっても、そんなに有能でしかもプランを完璧に実行できるってないわけでしょ?
和田憲治 ないですね。
奥山真司 つまり陰謀論を唱える人たちは、僕はそれは魅力的で面白いと思うんですけど、最大の欠点は、やっぱり人間が無能だっていうことに気づいていないこと。
和田憲治 なるほどね。陰謀論は相当知能があって、完璧主義者がやってるんだけど、簡単にそういう形で相場なんかもね、株式市場なんかも予測できるわけじゃないわけだし、あれだよと。でも暴落とかあると、ユダヤの陰謀だとかすぐに言ったりだとかね。
奥山真司 陰謀は僕は別に否定はしないんですけど、もちろんそういう風に企んでいる人はいると思いますけど、全ての現象をそれで合理的な説明で説明できるかというと、けっこう偶然とかがあって、たまたまそこに誰かがいたからできちゃったとか、失敗しちゃったとかいくらでもあるわけですよね。
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