奥山真司の地政学・リアリズム「アメリカ通信」の中国『マジックウェポン』の衝撃!その①~「静かなる侵略」どころじゃないニュージーランドの実態~から文字起こしです。
※文字起こしは不正確である事があります。
(前略)
※アンマリー・ブレディ氏の「マジック・ウェポン」(法宝)という論文に関して
(和田憲治) ちょっと覚えてほしいのが、この先生の名前。アンマリー・ブレディ教授。で、ニュージーランドの方で、どうやってニュージーランドが中国によって操り人形になっているかという事ですね。
(奥山真司) 結論から言いますとですね、操り人形ではなくて、ニュージーランドはもう中国です、と。
(和田憲治) ここでちょっと涙が。
(奥山真司) 涙無しには語れない。
(和田憲治) オーストラリアの時はまだ笑ってられたんですけど、今日は僕ら勇気を持って笑ってやります。なぜかというと、「えー、もう悲しいね、これ」。
(奥山真司) 悲しいんですよ。
(和田憲治) 悲しい、しかないんですよ。もうだから笑っていくしかないよね。これ、ちゃんと聞いたら、もう何か取り付く島がないというか、「もうだめだよ、パトラッシュ」という感じだよね。絵も落選するしお祖父さんも死んだし、みんなから裏切り者だとか「もうだめだよ、パトラッシュ」みたいなそういう状態になってしまう話が、マジック・ウェポンのレポートなんですね。
(略)
(奥山真司) いや、いい所なんですよ。本当にいい所なんですけど、恐らくこれは取り返しがつかない所まで来たんだなっていう所があからさまに描かれてる論文ですね。彼女自身は本の一章にするために書いた論文。多分50頁ぐらいなんですかね。本文は40何頁なんですけど、しっかり学術的に書いてるし、これもう早く発表しなきゃいけないからという事で、一応彼女がアメリカにありますウィルソンセンター、由緒正しい研究機関なんですけど、外国のグローバルのそこに行かなくてもいい研究員(略)
一応そのグローバル研究員ということで、彼女自身が中国が何をしているのかっていう所に、彼女自身の研究テーマとして、中国の統一工作戦線というんですかね。そこの実態を暴くという話をしてまして、彼女自身も北京に留学してたか何かで、中国語ベラベラで読めるし、というところでかなり信頼のある方ですよ。
この方がですね、自分の祖国であるニュージーランドに対してこういう事が行われているという事を2017年の7月ですかね、バンと出したら、すごくダウンロードされるし、色んな所で話題になるしっていう所なんですが、それを受けてですね、いろいろ迫害事件が起こってきたと。その前からね、彼女の研究はすごい注目されてたらしいんですけど。
恐らくこれ僕は、この論文を50頁ダウンロードして読んだんですけど、サイレントインヴェージョンも読んだじゃないですか。こちらの論文の方がしっかり学術的にもガッチリ書かれているし、なおかつ資料も綿密に当たっているし、中国語の文献にも行ってるという所はさすがだなと思いました。
恐らくこれを元に、ハミルトン教授も相当参考にしてそっち(※サイレントインヴェージョン)を書いたという感じだと思います。
(和田憲治) じゃもうこれが最初だと。
(奥山真司) 恐らく。こんなに、中国語の文献まで行ってるというのはすごいなという。
(和田憲治) 孫子と老子の関係みたいですね。どっちが古いんだと思ったら、こっち(※マジック・ウエポン)が古かったよと。でも影響されてるよと。
(奥山真司) 影響されてますね。ただ大きな話題になったのはむしろあっちのサイレントインヴェージョンの方で。でまぁ僕読んでみたんですよ。その本(※サイレントインヴェージョン)の中にもアンマリー・ブレディってどんどん出てくるんで、(略)読んだんですけどね、結論として僕読んだんですけど・・
(和田憲治) 毎日のように奥山さんからラインで「疲れたよ」と。
(奥山真司) 疲れました(笑)
(和田憲治) (略)もう嫌だ、これ読むの疲れると。
(奥山真司) (略)何がサイレントインヴェージョンと違うかというと、本当にその、やばいんですよ。産業をまず握られている。で、政治も今握られている、というとこですよ。そのスケールがオーストラリアの比じゃないんですよ。どっから話をしたらいいのかってのが本当に山積みなんですけど、とにかく政治と産業が握られたというところで、完全に西洋人の国であったはずなんですけど、いわゆる東南アジアの諸国と似たような状況になっているとご理解いただければ、何となくその感覚は分かるかなという。
(和田憲治) どれだけ侵略されてるのかっていうのをやるために、中国出身の国会議員がいると。
(奥山真司) 3人いるんですけど、そこの出身の党があるんですね、与党・野党にまんべんなくじゃないですけどいて、相当な影響力を持っていると。アンマリー・ブレディさん、この作者の方の結論なんですけど、とにかくもう中国の影響力は飽和状態にあると言ってます。もうだから影響され過ぎてて、ニッチもサッチも行かなくなっているという状況だという風に言って間違いないと。(略)
本題に入ります。この論文なんですが、マジック・ウエポンという題名です。一つの中国関係の本の一章として書かれました。ただ重要なんで先に出しましたという事なんですけど、テーマとしてはこれです。中国の統一戦線がやっている工作の研究書。でそれをニュージーランドの例から見る。
統一戦線ってそもそも何かというとですね、レーニンの時代から、共産党が昔からやってる、あらゆる手段を使って、共産主義の影響力を上げていくんだっていう工作が、そもそもUnited Frontという形で昔からあったんですけど、そのレーニンが言っているやり方を実は中国共産党も踏襲してて、先週ちょっと説明させていただいた通り、(略)共産主義が広まるためにはあらゆるチャンネルを統一して戦線を広げていくんだという、共産主義の戦いをどんどん広げていくんだっていうやり方として、コンセプトとしては昔からあったんですね。
ここで重要なのは、じゃあ中国共産党、昔からそういうのやってたんですけど、重要なのはですね、1971年。(略)(中国が)国連に加盟ということになったわけです。で、その時に既に中国は前から、海外にいる本土系の人たち、中国共産党系の人たちと支援を貰うということはずっと昔から・・
(和田憲治) 外からね。
(奥山真司) 外からやってたわけじゃないですか。
(和田憲治) 華僑的ですよね。
(奥山真司) 華僑と綿密に連絡を取っている。もちろん華僑そのものにも色んな人がいるわけです。ベトナム系の中国人だったり、マレーシア系だったり、シンガポール系だったりとか色々いるんですけど、一応本土系の人たちを中心に、ネットワークである程度つながっているという部分もあったわけです。そうすると建国49年から71年くらいまでは、そういうことを地道にやり続けてきた結果、今度共産党が、本土がナンバーワンになったと。国連入った。どんどん国を広げていくんだって時に、外との協力っていうのは重要になってきた。
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