奥山真司氏が語る孫子の本質

奥山真司の地政学・リアリズム「アメリカ通信」の「孫子」の本質を大きく勘違いしている日本人。|「文学」ではなく、戦略学として「孫子」を学ぶために・・・から文字起こしです。

※文字起こしは不正確であることがあります。


(和田憲治) 今回翻訳した孫子。これは今までの孫子とは違う・・

(奥山真司) はい。日本で売ってた孫子ってどちらかというとビジネスに応用するとか、そういう感じ、もしくは中国哲学に詳しい方が書いたとかいうものなんですけど、これは本当に戦略の観点から扱われているもので、非常に生々しいことが書いてあります。生臭いことが書いてあります。

(KAZUYA) 孫子って◯◯(聞き取れず)とかどこでも出てくるじゃないですか。あれを解説するってことですか?

(奥山真司) そうですね。孫子の書かれたバックにある思想ってどうなんだっていうところを結構書いてるんですよ。孫子って実はその当時の世界観がかなり入ってて、まぁ当然ですけど、その世界観のところに戦争と平和が一体化しているんですね。彼らの考えの中では。それは陰と陽なんだという話を。そういうところを書いていると。

(和田憲治) 日本人みたいに戦争と平和を切り離していない。

(奥山真司) 切り離してないですね。

(和田憲治) ずーっと戦争しているんだと。平和のようだけど・・

(奥山真司) 政治と戦争の違いというところが無くて、これ毛沢東がよく言いましたよね、政治は血の流れない戦争であり、戦争は血の流れる政治である。この考え方はまさに彼らの中では陰陽になっているという話・・(略)。戦略の話として読んでみましょうという。戦略を正面から扱っている本なんで。

(和田憲治) 日本の孫子っていうのは、要は教養的なものだったんですね、哲学的なものだったり、中国古典を楽しむみたいな感じで翻訳されてるんだけども、奥山さんのやつは、どうやって人民を動かすかとか、どうやって敵をだまして勝つかとか、そこにフォーカスした翻訳の仕方。

(奥山真司) そうですね。日本の見方って、孫子っ自分がいかに身を利するかってところじゃないですか、これを読むとよくわかるのが、孫子って、中国の思想全体がそうなんですけど、自分がどうこうするよりは、相手をいかに貶めるかという話をしているんですよ。こっちじゃない、相手の摩擦を増やしてやれば、こっちはどうでもいいんだと。なんかすごい中国的な考え方が・・

(KAZUYA) これはまさに歴史戦とかで・・

(奥山真司) その通り。自分はどうでもいいんだと。ウチラは虐殺は過去にあったかもしれない、でもあんたの方虐殺したでしょっていう考え方っていうのは、こういうの読むと非常にわかります。自分よりも相手をいかに貶めるか。迷惑をかけるという考え方です。

(和田憲治) 韓国の慰安婦問題を焚き付けて、中国がお金出してね、アメリカとかでも、中国側のお金で韓国人を動かして、で、摩擦を日本人に韓国人を押し付けると。この面倒くさい奴らを日本に押し付けとけ、という風にやるのが中国のやり方なんだけど、それが見事に書いているのが・・

(奥山真司) 本当は中国の考え方はそうなんだよ、というところは、今まで日本の孫子の本読んでも無いんですよ。ところが相手に対していかに迷惑をプレゼントするかっていう事を書いている。日本人だとどうしても自分が頑張って、技術・スキルを上げれば勝てるっていう風に思うわけじゃないですか。これは日本のまっとうな考え方ですよね。ところが中国の考え方、孫子の本に出てくるのは、いかに相手に迷惑をプレゼントして、相手に摩擦をあげて自滅に追い込むかっていう。落とし込むっていうところにすごいフォーカスしているんだなとわかります。

(花田紀凱) 日本でも孫子の本ってたくさん出てるから、孫子の兵法ていうくらい沢山でてます。でもなんでそういう風に行かなかったのか、そこが一番聞きたかった。

(奥山真司) 僕が読んでて思ったんですけど、どうも日本の場合は文学者が、インテリゲンチャじゃないですけど、そういう知識人階層が受け入れてきて、これは漢文だからありがたいものだという形で入れてきたんで、どうもそういう中国の生々しいところは省いている。

(KAZUYA) 戦略として見てなかった。

(奥山真司) そうです。文学として見てるっぽいのかな。

(和田憲治) モラルの有る人が、モラルを日本人に伝えようとして、作っちゃった孫子なんです。

(花田紀凱) 日本人はそうなんだ。結局ね。

(和田憲治) だから奥山さんのイギリスに留学してた時のコースメイトの人が、香港の人なんですよね。デリックさん。だから、彼は中国人とイギリス人がわかるから、イギリス人は中国人のこと分かってない部分があるよということで書いたのが、この論文(真説孫子)なんですよね。

↓続きは動画で御覧ください。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする