中国が台湾に仕掛けた地政経済学的手段

奥山真司の地政学・リアリズム「アメリカ通信」の【特集】国益を守るべき政治家のみなさんへ~解説『武器を使わない戦争』①中国→台湾から文字起こしです。

※文字起こしは不正確であることがあります。


※「その他の手段による戦争」(WAR by Other Means)という本に即して

(前略)

奥山真司 じゃあちょっと紹介していきます。まず台湾。台湾ですけど、我々はね、その辺の歴史はご存知の方いらっしゃると思いますけど、台湾ってそもそも中国共産党に負けて、蒋介石が引き連れた来た残党どもですよ。が、台湾にひきこもって、作った。中国側は内戦の結果だから、あいつらも実はchineseだからみたいな感じで、台湾を自分たちの領土の一部と言ってますけど、台湾側はそれを認めずに、我々は中華民国だと言って。

和田憲治 別の国だと。

奥山真司 はい。別の国だと。

和田憲治 いつか、だって、本土に出るぞと思ってたわけですからね。

奥山真司 70年代までは取り返すっていう軍事計画まで持ってましたから。それはすごいことですよね。その台湾なんですけど、台湾に対してどういうことやってるか?これはもう、これですよ。北京側が何を思っているかというと、経済面で取り込んでしまえば、奴らは絶対に歯向かってこねーだろっていう。まず実際何を行ったか、この本で触れられたのはやっぱり李登輝さんですね。李登輝さん、これ96年でしたっけ、台湾海峡危機がありまして、これ第三次台湾危機とかとも言われてますけど。

和田憲治 クリントンの時ですね。クリントンが最後空母を出して収まった。

奥山真司 2部隊出して、何とか事が収まったということなんですが、そこのあたりからだんだん激しくなってきましてですね、じゃあ何をやったか?中国はその後に狙いとしてやったのが、まず台湾の同盟関係の遮断でございます。アフリカとかラテンアメリカとか、今もそうじゃないですか、バヌアツとかああいう太平洋の。

和田憲治 はい。南太平洋のね。

奥山真司 ああいうところに、まだ一応台湾と外交関係ある国いっぱいあるんですよ。

和田憲治 国連加盟国はね、中国がどんどんプレッシャーかけてるんですけど、そういうところじゃない所に、国連加盟国だけども、そんな意見を出さないような所に支援したりとかして、入っていってですね。

奥山真司 そうなんですよね。どんどん同盟関係を切っている。これいわゆる孫子の本でいうところの虚を撃つじゃないですか。二番目にいいと言われる、虚を撃つ。これやってるわけですね。ところが、その後、時代が少しいきまして、陳水扁の民進党でしたっけ?独立派のね。陳水扁になってからですね、中国側は株価を操作するということを結構やり始めてですね、陳水扁、独立派の彼が当選したってなった後に、株価をガッと下がらせたという。多分いろいろ操作したんでしょうね。独立のリスクというものを台湾総統にプレッシャーをかけたと。それを分かってた陳水扁が、この時代にですよ、何と中国側に3つのリンクを明け渡すというか、3つのリンクを復活させる、連結を復活させるということをやって、郵便、これはお互いに自由にやろうということで改革しまして、それと、あと、貿易ですね。直接貿易。今までは第三国とか経由してたのを直接。あと交通。あの今まで香港経由でしか入れなかったやつが、今度本土から直接行ける。この3つのリンクをやってからですね、中国側の攻勢がどんどん激しくなってきた。

和田憲治 もう軽く呑み込めるよと、いう風になってきましたね。枠が開けばね。でかいマーケットの方が基本的には有利に働きますからね。

奥山真司 図体のでかさですよね。台湾がどうしてもってところがあるんですけど、2000年頃から、この本の中では、経済的に押し出すということをすごく本格化しましてですね、選挙において株価を操作すると。これつまり経済なんですよ。経済という手段でプレッシャーを与えると。その後、2008年以降ですかね、馬英九になりましたよね。国民党の馬英九が就任した時には、株価を爆上げしたそうです。やってるわけですよ。しかも馬英九が再選するときには、再選側にまわって、いろいろ運動を仕掛けてる。

↓続きは動画で御覧ください。

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