トーマス・フリードマンが米中冷戦の取材に日本に来た話

奥山真司の地政学・リアリズム「アメリカ通信」の「米中激突!だけど、アメリカの本気をイマイチ理解していない中国…」から文字起こしです。

文中の「フリードマンが米中に警告」はChina and Trump, Listen Up!だと思われます。

※文字起こしは不正確である可能性があります。


(前略)

和田憲治 「フリードマンが米中に警告」。

奥山真司 これがね、非常にいい記事を書いてました。コラムニストの方なんですけど。彼(トーマス・フリードマン)はグローバル化論者として、非常に有名な本、何冊か出しています。「フラット化する世界」もしくはちょっと古いところだと「レクサスとオリーブの木」っていう本がね、(略)、グローバル化素晴らしいと。世界は今、グローバル化しているんだ、すばらしいんだということをずっと本書いてた人なんですよ。まさにこの「フラット化する世界」なんてことを言ってた人なんですけど。この方がですね、今回いろいろ問題があるだろう、アジアの方で。俺がじゃあ一応出張に行こうと。ということで、いろんな意見をアメリカ側と、あと中国側と日本側の意見を聞こうということで、先週くらいですかね、一応東京に来たらしいです。

和田憲治 取材に来たと。

奥山真司 で、ジャパンタイムズにも意見をインタビューしてました。で、インタビューに出てたんですけど、彼自身は取材で来たんで、東京側の人、もしくは香港に行って中国側の識者といろいろ話をした結果、今、周りのアジアで太平洋地域でどうなっているのかと探りにきたらしいんです。で、今回、彼がインタビューしていろんな識者の意見を聞いたら、こういうことが見えてきたと。

まず、日本側の意見。いろんな人にインタビューを僕はしたんですと。日本側の意見のだいたい総意が、同じことみんな言ってるんですけど、「いや、今回トランプさんはよくやってくれた」という。感謝の言葉が結構多かったらしいんですよ。で、「ありがたいんだけど、おせーよ、お前ら」っていう意見を結構聞いたそうです。

和田憲治 おせーよ、というのは?

奥山真司 つまり、中国に敵対するのが遅いよって。

和田憲治 ああそうそう、日本人は前から奇異に思っている人たちはかなりいましたからね。

奥山真司 そうです。だから「ありがたいけど、おせーよ」。

和田憲治 日本側にそれ言う人がそんなにいたんですかね。

奥山真司 彼には言ったそうです。後もう一つ、ちょっと別枠ですけど、「貿易戦争には巻き込まないでほしい」と。「我々ちょっと憂慮してますよ」と。

和田憲治 誰に聞いたの?っていうのもちょっと聞きたいですね。

奥山真司 何人かにだいぶ聞いて、「ありがたい、よくやってくれたけど、おせーよ」という風に聞いたそうです。ようやくわかってくれたかっていうのが多分・・

和田憲治 奥山さんに聞いたの?ってのはある。

奥山真司 聞いてませんよ。

和田憲治 おせーよって言ったんじゃない?トランプちょろいって。

奥山真司 今度ね、中国側の意見。香港に行って、識者とかいろいろな人に聞いたらしいです。で、言われたのがですね、中国側の識者たちが「頼むから教えてほしい」と。「トランプどこで止めんの?」っていう。

和田憲治 (笑)。まだわかってないんですね。

奥山真司 わかってない。

和田憲治 え?香港とかでもわかってないの?

奥山真司 トランプがどこで何したいのか、妥協点がどこなのか知りたいってのは、中国側の識者が全員言ってたって・・

和田憲治 言ってあげたらいいじゃない、フリードマンが。「共産党差し出せ」と(笑)。「共産党体制の崩壊までやるんだ」と。

奥山真司 いやいやいや、それはでも言えないじゃないですか。礼儀として。フリードマンもそういう風に思ってないと思いますよ。ただ「トランプ何したいの?」って一番聞かれたって言ってます。フリードマン側も答えられないから、わかんないから、「うちらも実はわかんないんです」って一応彼も必死に言ってます。

和田憲治 フリードマンは全然わかってない奴だな。

奥山真司 で、これ面白かったのがですね、香港に行くじゃないですか。そうするとあそこ元イギリスの植民地でもあるんで、香港に居る欧州の大使館の人間とかいるわけじゃないですか。その人ともフリードマンめちゃめちゃ話したらしいんですよ。そしたら彼らの意見が結構面白くてですね、欧州側の香港にいた識者みんなが言っていたのは「北京って本当わかってねーんだな」ということで、「諜報で大失敗してる」って言ったんです。

和田憲治 あれだけアメリカの情報盗んでるくせに、分析できてないと。

奥山真司 そうです。政治関係、トランプの関係とかを全く北京はわかってない。

和田憲治 テクノロジーとかそんなのばっかり盗んで(笑)

奥山真司 政治情報が全く上に上がってないって。

和田憲治 上がってない。なるほど。

奥山真司 諜報で大失敗したの、これ1点目。あと、アメリカの敵意、すごい怒ってるじゃないですかアメリカは。「なんで怒ってるの?」って感じらしいんです。

和田憲治 あー、本当にわかってないね。

奥山真司 本当にわかってないっていうことをヨーロッパの人たちはわかっている、見てて「中国人の奴ら本当にわかってないな」って。いわゆるルトワックの言うところの「大国の自閉症」だっていう、まさにヨーロッパ側の識者が指摘していたそうです。で、もう一つ当然なんですけど「冷戦やめろ」と。「俺達にどちらかにつくのか言わせるのか?」って。

和田憲治 ヨーロッパ人がね。

奥山真司 ヨーロッパ人。

和田憲治 ヨーロッパ人にしてみれば、アメリカと中国がやると、ヨーロッパにも景気後退とかね、いろいろ出てくるから、やめろと。

奥山真司 「どっちにつくかとか俺たちに迫らないでくれ」と。これはまぁ、わからなんでもないじゃないですか。第三者が。日本もやっぱりそういうところは経済系の人はあるんで・・

和田憲治 日本の経済界はやばいよ。だって安倍さん焚き付けてね、一緒に(中国に)行ったりしてるわけじゃない。あれとかね、もう本当わかっちゃいないよね。

↓続きは動画で御覧ください。

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