須田慎一郎氏が解説する大阪都構想と創価学会・公明党

2019年3月18日(月)の虎ノ門ニュースから文字起こしです。コメンテーターは須田慎一郎氏、ケント・ギルバート氏です。

※文字起こしは不正確であることがあります。


(前略)

(須田慎一郎)・・地上波できないよ、これ。公明党、創価学会のウラ。あんまりこれ(カンペ)出してると苦情が来たら耐えられませんから。

(居島一平) 現在、須田さんが秘密裏に取材を進めてらっしゃるテーマがこちらということでね。ぶっこんでいただきましょう。これは確かに地上波の放送は絶対無理、NGだと思いますけども、須田さんの特ダネの前にですね、状況を整理しておきましょうかね。

こちらのニュースから読ませていただきます。時事通信の記事から一部抜粋をお伝えします。大阪府の松井一郎知事と大阪市の吉村洋文市長は、8日の午後、任期途中で辞職し、4月投開票の統一地方選でダブル選を行うため、辞職願をそれぞれ府・市両議会議長に提出しました。

大阪維新の会からは知事選に吉村氏、市長選に松井氏がそれぞれ入れ替わって出馬します、ということなんですけども、この投開票ですね、4月7日ということなんですが、これまで与党の大阪維新の会は過半数を握っておらず、公明党と協力関係にありました。

しかし対立が避けられない状況になり、ダブル選挙となったという模様なんですが、須田さんはこのあたりをどうご覧になられていらっしゃいますか?

(須田慎一郎) まぁダブル選挙というか、クロス選挙という風に関西で言われているんですけども、なぜこんなことになったのかと言うと、そもそも大阪維新の会、これは地域政党なんですね。日本維新の会は中央政党ですけどね、国政政党ですけれども、大阪維新の会と公明党の大阪府連は大阪都構想について、協力して話を進めていきましょうという事になったんですよ。その事情については、裏背景については後で説明しますけどね。密約文書を交わしてたんですね。

で、その密約文書に何があったのかというと、任期までに法定協議会、大阪都構想というのは大阪府議会議員・市議会議員で構成される法定協議会というのがあって、そこで原案をまとめて、それぞれの議会で了解をとったうえで住民投票にかけましょうと、こういう手続になってるんですよ。その法定協議会の結論を任期までに出しましょうねということで、密約文書があったんですね。

(ケント・ギルバート) 任期はいつまでですか?

(須田慎一郎) そこが問題。何の任期と書かれてなかったんですよ。ただ、どうですかね?普通考えたらね、府議会議員、市議会議員の任期ですよね。新しい議員になってしまったら、法定協議会の意味が無くなってしまいますから。もし落選したら、新しい人が入ってきたらどうなるのか?普通に考えたら、府議会議員・市議会議員の任期。それは誰が考えても常識なんですよ。

この4月の統一地方選挙があるから、それまでに法定協議会の結論出すんですよねって、大阪維新の会が公明党に言ったところ、「え?違うよ、違う違う違う。これ府知事と市長の任期。つまり年末だよ」。

(ケント・ギルバート) なるほど、この食い違いですか。

(須田慎一郎) 話違う、裏切り者、そんな市長と知事の任期なはずないだろ。これは方便なんですよ。

松井知事の公表

昨年の暮れ、記者会見で大阪元府知事が、公明党との水面下の合意文書を突然公表する。

(居島一平) 松井さんブチ切れられていましたよね。

(須田慎一郎) それが密約文書なんですよ。どっちの任期だか、これ見りゃわかるでしょ、記者の皆さん。って事になって、ただ公明党は反発したんですよ、「そんなね、非公式なものを公表するなんてけしからん。」ということになって、ただ、この時には完全に決裂してなかったんですね。

完全に決裂するのは、いつだったのかと言うと、これが私のスクープ情報。1月18日。今年のね。大阪市内で創価学会本部と公明党大阪府本部の合同会合が開かれたんですね。その会合の席上、大阪府の本部、創価学会の本部ですよ、の中で佐藤宏副会長というのが、「ここで大阪維新の会と喧嘩してもしかたがないから、住民投票やったらどうか」と。「そこまでは法定協議会通してもいいんじゃないか」と言い始めた。

で、実はこの人のバックには、複雑になっちゃうんだけども、菅官房長官がついてるんですよ。おそらく松井さんは、かねてから親しい菅官房長官に言って、ちょっと創価学会に働きかけてよという言い方をした。

ところがその会合の席上では、佐藤副会長のライバルと言われている谷川副会長も同席してたんですよ。そしたらその人は何と言ったかというと、「売られた喧嘩は買わなきゃならねぇ」、そういう言い方をした。これまた複雑になっちゃうんだけども、谷川さんの裏についてるのは、二階幹事長。おそらく二階さんから言い含められてるんじゃないかなーって、これあくまで私の想像ですからね。

(居島一平) 複雑な代理戦争ですね。

(須田慎一郎) 佐藤・谷川がぶつかったんです、ここで。で、なぜか不思議なことに創価学会会長の原田さんは、「谷川の勝ち」っていうんで軍配を谷川さん、つまり「売られた喧嘩は買う」と言った谷川さんの方に上げてしまったものだから、一気に大阪維新の会と創価学会・公明党が対立構造にどぉっと流れ込んでいくという、そういう構造なんですよ。

じゃ、なぜね、そこまで大阪都構想に対して批判的なのか。学会と公明党が。というとですね。

(ケント・ギルバート) 両方とも基本的に賛成なんでしょ?

(須田慎一郎) 公明党は反対なんです。どうしてか。キーワードで創価学会の組織内用語にこういうのがあるんですね。「常勝関西」。常に勝つ関西というのがあって、創価学会にとって大阪の市というのは非常に特別な地なんですね。

(居島一平) 聖域なんですね。

(須田慎一郎) ええ。どうしてかというとですね、さかのぼること1956年の参議院選挙で、公明党は国政初進出を果たすんですよ。

(居島一平) 昭和31年。

(須田慎一郎) はい。その時はですね、創価学会文化部という立場で、まだ公明党は無いですから、これ前身なんですよ。6人の党候補を立てて、3人が当選するということになりましてね、内2人が当時の全国区。比例区ですね、今のね。ですから、全国の創価学会の会員を結集してこの2人が当選しました。で、もう1人が実は大阪から出馬した白木さん。義一郎さんが出馬しましてですね、この方は元々泡沫候補と言われてたの。「勝てない、勝てない。創価学会は元々東京じゃないか」みたいなね。「無理だよ」といった時にですね、その時に大阪に来て一生懸命選挙運動した方が1人いらっしゃったんですよ。

創価学会の方で。その人が誰か?知ってるかみんな?池田大作さん。当時はまだ学会会長じゃないですよ。参謀室長というよくわかんない・・

(居島一平) トップに立たれていたわけではないけれど・・

(須田慎一郎) なかった。参謀室長になって、この方がしゃかりきになって大車輪の働きをしたために当選を果たした。つまり池田大作さん神話の始まりなんです、これが。

(居島一平) なるほど、栄光の地なわけですね。

(須田慎一郎) 栄光の地。しかも当時、池田大作さん、言っちゃだめですよ、これ。小さな声で言いますけどね、選挙違反で捕まっちゃったのよ。

(ケント・ギルバート) え?

(須田慎一郎) 選挙違反で捕まっちゃったの。当時。

(居島一平) 明明白白な事実ということで、はい。

(須田慎一郎) 有罪にはならなかったんですけれども、釈放されましたけども、まぁ捕まった。ということもあって、2つのポイントありますよね。その池田大作さんの神話、常勝関西。そしてもう一つは、やはり大阪をおさえてないと、下手に選挙をやっちゃうと捕まるぜって事になったわけ。影響力を持っていないと。だから大阪府警を牛耳る大阪府、そして大阪市というのは、創価学会・公明党にとって特別な地域になってるんですね。

現に今でもそうなんですよ。衆議院議員8人いるんですけれども、選挙区のね。選挙区の議員は8人いるんですが、内4人が大阪なんですよ。公明党の。2人が兵庫なんですよ。常勝関西、まさに。

そしてもう一点は、大阪市ってのは特別政令指定都市なわけですよ。ものすごく大きな予算と権限を持ってるんですよ。その権限・予算を按分・配分できるのは、市議会議員ですよ。市長であり、市議会議員。これを、要するに大阪都構想というのは、その政令指定都市の大阪市を解体して、特別区にしちゃいますよ。東京タイプにしちゃいますよ。そうすると予算も権限も全部大阪府に吸い上げられてしまうんですよ。

そうすると大阪市こそが常勝関西の力の源泉、つまり有権者をつなぎとめておくための力の源泉であるにもかかわらず、それを解体するということは、自分で自分の首を締めることになる。本音としては、大阪市議会解体につながる大阪都構想は嫌なのよ。

↓続きは動画で御覧ください。

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