高市早苗氏が日本のサイバー防衛について語る

2018年12月20日(木)の虎ノ門ニュースから文字起こしです。コメンテーターは有本香氏、ゲストは高市早苗氏です。

※文字起こしは不正確であることがあります。


(居島一平) 「中国人民解放軍がEUハッキングか」。(略)産経新聞の概要です。アメリカのNYタイムズは、EUの外交関連の通信ネットワークが、今月18日にハッキングされていた疑いが浮上したと、サイバーセキュリテイ会社の分析結果として報じました。外交に関わる多くの電報が流出した可能性があり、中国の人民解放軍が用いてきた手口に類似しているとも伝えています。ハッキングは過去3年以上にわたって行われていて、流出した電報にはトランプ大統領との関係に対するEUの懸念や、7月に開かれた米露首脳会談をロシア側の成功だとする評価などが含まれていたとのことです。また中国の習近平国家主席とEU側のやり取りなども、記されていましたという事なんですね。

(高市早苗) やっぱり人手不足やなぁ。中国の方はね、サイバー部隊約13万人は少なくともいるとされてて、日本は来年の3月まで、今年度末までで430人になる予定なんですよ。

(居島一平) サイバー部隊が13万人。

(有本香) すごいですよね、もう。人口の多い国ですから、ごく一部という話で13万人のうち役に立たない人も相当いるでしょうから。日本の精鋭430人というのはすごいのかもしれません。でもやっぱり少ないですよね。

(高市早苗) 一つ大きな問題は、最近アメリカはどんどん名指しで攻撃してますよね。特定の国を。今年の5月にはもうアメリカ軍の、軍の基地の中ではファーウェイとZTEは売っちゃいけないという事になってた。今年の8月に国防権限法ってのに大統領がサインして、それによってアメリカは、まずは政府調達ではZTEもファーウェイも駄目と。で、それらの製品を購入した企業、出入り業者とも契約をしないという形になりました。

オーストラリアも今年の8月には、もう名指ししてファーウェイとZTEについては駄目ですよということになりましたよね。アメリカの場合は何かこう、割と何年も前からやってるんですが、これは北朝鮮の攻撃だ、これは中国の攻撃だってよくあんだけ堂々と名指しできるなと思ってたんですが、やっぱり攻撃者の特定能力を持っている、ほぼ確立してるという事で、日本の場合は残念ながらまだできてません。

だから、いきなり私の本に書いちゃったようにサイバー反撃とかね、サイバー自衛権を行使するって書いちゃったんですけどね。そういう事じゃなくて、まずは非難声明を出す。次に経済制裁を行う。事実アメリカは北朝鮮に経済制裁を行いましたよね?で、その次が恐らくサイバー空間による反撃。場合によっては、日本の安全保障に関わる場合、サイバー自衛権という議論も始めていくべき時期だと思います。相当ハードルは高いですが。国会情勢を見ますと相当ハードルは高いし・・

(有本香) そうなんですよ。そういう事をもうちょっと侃々諤々やってもらいたいんですけどね。

(高市早苗) 岩屋防衛大臣が倒れなきゃいいんですが。これは私の個人的な意見として、◯◯(※聞き取れず)で書かしていただきましたけど。でも攻撃者特定能力を持った技術者は日本に複数名いらしゃいますから。そういった方々は民間の方が儲かるんですが、何とか民間の仕事もやりながら、国家公務員法に準ずる形で守秘義務を持って、政府の中でそれなりの処遇で対応してご協力いただけたら助かるなぁと思いますね。攻撃者の特定ができないとね、なかなか非難すらできない。

(居島一平) そうですね。対象がはっきりしないとね。

(高市早苗) あとG7はね、ルッカ宣言というのを出しまして、サイバー攻撃を含む、そういった妨害に対して反撃ができる旨、これを発表してますが日本も一応G7に入ってますけど、ただ国内法の整備ができてないのと、なかなか議論を始めにくい空気というのは政界にありますので、ここをどう工夫していくかという事ですね。

(有本香) なんか今さら聞くのも何なんですが、その議論始めにくい空気ってどうしてできるんでしょうね?今までの安全保障の議論も始めにくい空気がずっとあったんですけど、それは大体理由は分かるからおいておいて、サイバーっていう新たな領域・空間ですから、ここの安全保障についてはこっちはこっちで積極的に議論を進められてもよさそうなんですけど、どうしてそこにまた議論を進めにくい空気っていうものが・・

(高市早苗) 昨夜も岸田元外務大臣の愚痴を聞いてたんですけどね、今の河野太郎大臣は割と海外出張をどんどんどんどんすごい頑張ってあちこち行ってらっしゃるけど、岸田さんの時は気の毒な事にあの、安全保障法制とか非常に重たい法律案が目白押しで、結局とても重要な国際会議にも出れない。

(有本香) 確かにそうでしたね。

(高市早苗) だって私だって、国内で開かれた情報通信大臣会合以外出てないんですもん。例えば、国際電気通信連合の国際会議でよそは閣僚が来るのに、日本だけ国会に拘束されて行けないってのありましたから。なかなか進まない。◯◯(※聞き取れず)進まないってのもあるし、で、やはり安全保障に少しでも触れる議論というのは、相当な抵抗もありましょうから時期を選ばなきゃいけないというのもありますよね。

(有本香) サイバー空間における安全保障の事でも、また相当な抵抗があるわけですか?

(高市早苗) もう、大方、今の先進国はもうサイバー空間というのは、陸海空・宇宙空間に次ぐ軍事的な領域って見てますから、すごいサイバー攻撃能力、反撃能力をもう確立してきていますよね。そんな中で日本の方はちょっとまだなかなかサイバー反撃権の根拠法になる法律があるわけでもないし、だからまずは攻撃者特定のための体制を作って、経済制裁を行うとか非難を行うとかいう事から始まるんでしょうが、ただもう命に関わるような事態が起きた時に、医療機関とか、あと飛行機も最近、衛星通信から飛行計画とか機内の通信情報とか取れるようになっちゃいましたよね。ああいうこと考えると、一刻を争うと思うんですよね。

↓続きは動画で御覧ください。

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