藤井厳喜氏が分析する北朝鮮非核化問題の行方

2019年2月20日(水)の虎ノ門ニュースから文字起こしです。コメンテーターは藤井厳喜氏、井上和彦氏です。

※文字起こしは不正確であることがあります。


(前略)

核実験ない限り「急がず」 北朝鮮非核化でトランプ氏というニュースに関して

(藤井厳喜) これはね、もっと早くやってほしいというのが我々の希望だけども、しかし、これ実は去年のシンガポールのトップ会談の時から、その直前くらいから、「急がない」という態度になっちゃったんですね。はじめボルトンさんなんかが、リビア方式で三ヶ月とか六ヶ月とか言ってたんだけど、これどういうことかっていうと、トランプ政権の立場はアメリカからするとね、チャイナ問題は大きな問題、北朝鮮問題は小さな問題、そしてこれは表裏一体でリンクしているっていう認識ですね。

だから、この間トランプが国民向けにテキサスで演説した時にこう言ったんですよね。俺が来る前は戦争直前みたいなことは、北朝鮮とアメリカで一時、トランプが就任した後も、高まったと。だけど今は見てくれと。俺は全部人質は解放させたぞと。まぁ1人戻ってきて死んじゃった大学生が、ワームビアさんっていたけれども、身柄拘束されてた人たちは全部取り戻したと、そしてもって核実験はあれ以降行われていない。長距離ミサイル実験も行われていないと。とりあえず戦争から遠ざかったということなんです。

そうすると表裏一体なんですよ。北朝鮮とチャイナ。チャイナがあるから北朝鮮があるわけ。北朝鮮の国益とチャイナの国益は一体ではないんだけども、チャイナが無かったら、北朝鮮は三ヶ月で潰れますよ。それはもうハッキリしてるわけね。

そういうことなんで、今アメリカの大きな課題ってのは北朝鮮じゃなくて、チャイナを締め上げて、それを、経済を潰していくということ。そして帝国主義的な政策をやらせないように、拡張主義的なことはやらせないようにする。そうすればチャイナの経済が落ちてくるんだから、北朝鮮は、あなたのところは結局チャイナ頼りでしょと。このままではあなたの国の将来はありませんよと。よく手を胸に当てて考えなさい、時間はあげるからと。その代わり、長距離のアメリカに届くような大陸間弾道弾、(略)と核実験、これはレッドラインだから、これやったら、アメリカは軍事力行使しますよということで、そして経済的には締めあげていくと。

もっとも韓国が実際上、制裁破りやってますんで、思ったほどその経済制裁が効いてないんです。だけれども膠着状態で、このままずっと行くと。で、チャイナの思惑に乗らないよということなんです。

チャイナの思惑というのは、北朝鮮問題を過大視して、北朝鮮問題だけ片付けようと思って、片付けない。北朝鮮という小さな石にアメリカがつまづき続けてくれれば、圧力はチャイナの方に来ませんから、チャイナは嬉しいんですよ。

ところがトランプはその大小というか、事の軽重を見て、重い方から片付けると。だから北朝鮮も今苦しいでしょ。だけど膠着状態で、核の推進が、例えば濃縮ウランの量なんかは増えてるかもしれない、おそらく増えてるでしょう。だけども、核兵器というものを完成させる一歩くらい手前で止まっているわけです。その点についてはこの膠着状態はずっと続けていくと。

かつての例で言うと、例えばユーゴスラビアにチトーという大独裁者がいました。ところが彼のことをアメリカは結構支持したんですよ。彼は小スターリンだったんだけれども、なぜかというとスターリンとチトーは喧嘩したから。だから相手の一枚岩と言われたところに楔を打ち込むということで、ユーゴを優遇しながら、それでもって共産圏を分裂させたと。

だから北朝鮮がチャイナと運命共同体じゃないんだよという風に来るならば、こちらも妥協の余地はあるよと。しかし核に関しては、ここが持たせちゃうとね、結局イランの核武装にも即つながるんですよ。イランと北朝鮮は本当にミサイルと核の問題は表裏一体ですからね。ですから、中東で核が広まったら、本当に怖い。これは実際使われる可能性が高くなっちゃう。

それにいわゆるイスラム過激派にも手渡される可能性もあるし、だから北朝鮮の問題は、核の問題はないがしろにはしない。けれどもチャイナの方をまずは締め上げるという方から行くと。おそらくこれがトランプの戦略ですね。

↓続きは動画で御覧ください。

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